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東昭史(あずま・あきひと)さんによる、フラワ−エッセンスの解説と神話からみたエッセンスの特徴などの素敵なエッセイをお届けします。
今回は「Club Apple(クラブアップル)」です。
◆クラブアップル Malus sylvestris Miller.
【調和された状態】
 浄化。内面的な清らかさの感覚。

【バランスを欠いた状態】 
  細かなことにこだわる。不潔感。潔癖症。。
【桃の節句  穢れを祓う儀式い 】
3月3日は、ひな人形が飾られる桃の節句です。
3月の節句で人形が使われたのは、人間の身代わりに災厄や穢れを乗り移らせるための人形を作ったことに由来するそうです。今日でも、こうした人形を川に流して穢れを祓う、「流しびな」という行事が各地に残っています。

また、古代の中国では桃は仙木とされ、桃には霊力がそなわっているという信仰がありました。3月には桃花水を飲んで禊(みそぎ)をし、穢れを祓ったといいます。この桃花水とは、桃の花の流れる川の水のことだそうで、現代で言えば、まさにフラワーエッセンスそのものかもしれません。
【ペルシャのリンゴ 】
モモはもともと中国が原産地でしたが、シルクロードを経てペルシャに伝わり、そこからヨーロッパへと伝えられました。そのため、ヨーロッパの人たちは当初、モモの原産地はペルシャであると考えて、モモのことを「ペルシャのリンゴ」と呼んでいました。

モモは学名を Prunus persica (L.) Batsch と言い、今日ではバラ科サクラ属に分類されていますが、モモの異名のひとつに、 Malus persica Garsault の名前が伝わっています。

Malus は「リンゴ」、persica は「ペルシャの」の意ですから、あわせて「ペルシャのリンゴ」。過去には、実際にモモをリンゴの仲間と考える学者もいたわけで、様々なところで相通じる部分があるのかもしれません。
【クラブアップル  浄化のエッセンス】
バッチフラワーには、モモのエッセンスはありませんが、リンゴの仲間のフラワーエッセンスであるクラブアップルのエッセンスがあります。

このエッセンスは、私たちの精神面、肉体面、そしてエネルギーレベルにおける浄化のために使われます。「モモのフラワーエッセンス」とも言えるような桃花水が穢れを祓うように、リンゴのフラワーエッセンスであるクラブアップルもまた、穢れを祓うために使われるのです。
リンゴ  愛と美の象徴
世界各地の神話や物語においては、リンゴは愛と美の象徴として、語られてきました。ギリシャ神話では、リンゴは愛と美の女神であるアフロディテの象徴です。

この「愛」と「美」というキーワードで、クラブアップルのエッセンスについて考えてみると、「愛」と「美」のアンバランスな状態として「自己嫌悪」や「潔癖」というキーワードが関連するかもしれません。クラブアップルを必要とする人の中には、自分の一部を汚らわしいものと感じて苦しみ、自分自身を受け容れて愛することのできない人がいます。

また、神経質なまでに完璧な秩序や清潔さを求めるあまりに苦しむ人もいます。こうした人たちにとって、クラブアップルのエッセンスは、おおいに助けとなることでしょう。
再生と不老不死の象徴】
一方で、リンゴは若返りや再生、不老不死をもたらすものとしても語られてきました。北欧の神話では、豊穣の女神イドゥンが管理する不老不死のリンゴを食べることで、神々は永遠の若さを保ち続けていたと言われています。ペルシャに伝わる聖者アナシンドゥの物語においても、不老不死のリンゴを中心に話は展開します。

白雪姫の物語では、リンゴは死と再生をもたらします。禊の水が浄化と再生をもたらしてくれるように、リンゴもまた私たちに浄化と再生をもたらしてくれるのでしょうか。クラブアップルのエッセンスを使用して、「すっきりした」「さっぱりした」と感じるのは、浄化を通して、美しく清らかな存在へと再生したことを実感しているのかもしれません。
【アダムとイブの神話とリンゴ
旧約聖書で語られているアダムとイブの神話は有名です。エデンの園に住むふたりに対して、神は善悪の智慧の実を食べることを禁じますが、蛇にそそのかされたイブは禁断の果実を食べてしまい、アダムもまた、それにならったため、ふたりは楽園を追われてしまいました。

その時に食べた果実については、単に木の実とされていて、詳しい記述が聖書にないために、様々な説が流れていますが、一般的にはリンゴであると考えられています。その果実を食べた後、ふたりは恥じらいを知って、いちじくの葉で下腹部を隠しますが、クラブアップルのエッセンスを必要とする人が、自分の肉体の一部を気にしすぎたり、恥ずかしく感じたり、汚らわしく思ったりすることを考えると、クラブアップルのエッセンスと神話の共通性を感じます。
何物にも汚されることのない本質】
クラブアップルのフラワーエッセンスは、清らかさの感覚を通じて心に平静をもたらしてくれます。神経が過敏になって細かなことが気になって仕方がない時や、潔癖に過ぎる時、あるいは不順さや不完全さにこだわる人に、バランスされたものの見方ができるように助けてくれます。

クラブアップルのもたらす浄化によって、私たちは自分の内面の美を実感して、何ものにも汚されることのない自分自身の本質に気づくことができるでしょう。その時、私たちは自らを受け容れて愛することができるようになります。何ものも自らを汚すことができないことを知ったからには、もはや不浄や不純、無秩序を恐れる必要はありません。クラブアップルのエッセンスによって穢れを祓い、生まれ変わって、新たな春の訪れを迎えたいものです。
東 昭史(あずま・あきひと)氏プロフィール
日本アロマテラピー協会認定インストラクター
フラワーエッセンスプラクティショナー
生活の木 Herbal Life College 講師
アロマテラピー業界での勤務を通じて、フラワーエッセンスに出会う。
以来、バッチホリスティック研究会や、ハートサポートシステムなどで、
バッチフラワーを中心とするフラワーエッセンスを学ぶ。
フラワーエッセンスを通じて植物たちの祈りを聞き、
その声を必要とする人たちに伝えることを願い、活動している。
参考文献 及び 参考サイト
『植物と行事』 湯浅浩史 朝日選書
『花の神話と伝説』 C.M.スキナー 八坂書房
『ケルトの木の知恵』 ジェーン・ギフォード 東京書籍
『バッチの花療法』 メヒトヒルト・シェファー フレグランスジャーナル社
『フラワーエッセンス・レパートリー』
  パトリシア・カミンスキ/リチャード・キャッツ共著 BABジャパン
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